小さな頃のお話(実話です)
昔、小さな片田舎の大自然に囲まれた盆地に住んでいた学校でのお話
僕らの毎日の遊び場は山や川!農業用の池や草むらの中…クワガタを捕ったり清流で泳いだり、ザリガニ捕ったり亀を探したりカマキリの卵をとったり、もちろん鯉や鮒を釣ったり…ドンコを掬ったり…エビを捕まえたり
学校が終わってからは家にランドセルを投げ入れて、すぐさま山!これが毎日の日課であり、日が暮れるまで毎日毎日、山で遊びまくっていた!
親は気が気でなかったかもしれないが、ここで学んだことは今もなお、活かされていて、ここまで至る人間形成に大きな影響を与える環境であったことを切にありがたく思う。
ある日の閉鎖
とある日…学校のPTA通信でこんな案内が来た!
【マムシ大量発生のため入山禁止!】
はぁ~(; ̄Д ̄)?なんじゃそりゃ?
マムシが増えているのは知っていた!何処に多いかも知っていた!何に注意しなけりゃならないのかも知っていた!どんなところに気をつけなければならないかも知っていた!
そんなの…毎日山で見てるんだから…そんな場面にも遭遇しているのだから
自分たちが知らない訳はない!
でも、みんなの為!? 咬まれる人が居たら大変なことになるから!?
『やっぱりマムシが減るまで当分の間は山へ入っちゃダメ!』
これがPTAのお達しだった…
今まで当たり前のように遊んでいた山が閉鎖された。
行き場を無くした少年達は途方に暮れた…
ファミコンに明け暮れたりもした!ドラクエの攻略は出来たが、実践から学ぶことは
そこにはなかった…
少年達は考えた!
『マムシがおらんようなったら、また誰に咎められることもなく山に入れるようになるんちゃうん!?』
『そや!それや!』
有志が10人ほど集まった。
多いところは、どの辺りか分かっている!
何に注意するべきかもわかっている!
蛇腹の扱いも分かっている。
僕らは山のプロフェッショナルだから!
長靴を纏い山に入った!勿論、親には内緒だ!予想は的中!石垣の水辺の近く数ヶ所に多くのマムシがいた!
逃げて岩場に入ろうとするマムシの尻尾を掴み、一瞬テンションを抜くとスルスルとマムシは出てくる!咬まれないように抜けた瞬間にクルクル回して地面に叩きつける!
何匹のマムシを捕っただろうか!?
数日にわけて有志達は毎日山に入りマムシを捕った!ルールを破ってだ!
その後、どうなったかは皆さんも想像のとおり…
【マムシが沢山!】と言った山は平常を取り戻し、入山禁止も解除された。
勿論、PTAや学校の先生、親たちは何故減ったのか!?その理由は知らない。
『経験は力なり!すべては現場の中から見つけられる』
少年有志達は無謀なことをした!とお思いだろうか!?
【分かっていたからこそできた術!】
【毎日毎日明けても暮れても、見てきていたからこそできた術!】
【だからこそ知っていた知識!】
ルールは過去の教訓から生まれる!
ただそれを紙面上、ニュース・情報だけで得ようとしても『知ったかぶり!』だけだ。
水辺の滑る石かどうかはそれを経験した者でないとわからない!
失敗(危険)と成功は隣合わせ!
幾つになっても、その検証を止めない姿勢は失いたくないものだ。